QNAP上でsubsonicを稼働させる手順
subsonicはJavaで書かれたメディアストリーマー。これ自体はあちこちで紹介されているので、ここではQNAP上でsubsonic動かすまでの手順をまとめます。また、QNAPのパッケージであるqpkgに関するモノ、つまり公式な開発手順にのっとった手順ではないので、ご注意。 なお、subsonicのインストールにはいくつかのパターンがありますが、ここではsubsonic単体で動作させる standalone方法です。
必要なソフトウェア
subsonic 以外に必要なソフトウェアは、QNAPのJREのみ。APP Centerから最新を入れておけば大丈夫。 また、subsonicのパッケージとしては、QNAPインストールに適したStand-aloneバージョンをダウンロードします。
インストールディレクトリ
インストールといっても、単にstand-aloneのzipファイルを適当なディレクトリに展開するだけです。
/opt
や独自に作成したディレクトリ、例えば/share/HDA_DATA
というようなディレクトリに置くのがよいと思います。
僕の場合は、/share/HDA_DATA/usr/share/subsonic
に展開しました。
インストール時の設定
subsonicの設定は、展開したディレクトリにあるsubsonic.sh
に書き込んでいきます。
必要な設定は、ポート番号、ホームディレクトリ、メモリ、java、言語の設定などです。設定には環境変数を変更、追加します。
私が変更や追加した環境変数は次の通りです。
- LANG (LANG=ja_JP.UTF-8)
- LC_ALL, LC_CTYPE, LC_MESSAGE,...などのLC_xxを
${LANG}
に合わせる - SUBSONIC_HOME (インストールディレクトリ)
- SUBSONIC_MAX_MEMORY (搭載されているメモリに合わせて減らす)
- JAVA (もしくはJAVA_HOME)
LANGにはUTF8に設定しないと日本語フォルダが読み込まれません。
JAVA_HOMEはAPP Centerで導入したJREのインストールディレクトリです。実体は、qpkgのインストールディレクトの下にあり、
/usr/local/
にリンクが張られているかもしれません。調べるにはsshでログイン後which java
とすれば分かると思います。
なお、UTF8については、こちら: QNAP(QTS)に新しいロケールを追加する方法 - tranphonic’s blog
起動方法
このまま、subsonic.sh
を起動してもよいのですが、これだと他のデーモンとは違った運用になってしまうので、/etc/init.d/
に簡単な起動スクリプトを作っておきます。
スクリプトのなかでsubsonic.shで設定したPATH、JAVA_HOMEとLANGを設定してしまいます。
PATHにはインストール先を追加してください。
#! /bin/sh ### BEGIN INIT INFO # Provides: subsonic export PATH=\ /bin:\ /sbin:\ /usr/bin:\ /usr/sbin:\ /usr/bin/X11:\ /usr/local/sbin QNAP_ROOT=/share/HDA_DATA DESC="Subsonic Daemon" NAME=subsonic PIDFILE=$QNAP_ROOT/var/run/$NAME.pid DAEMON=$QNAP_ROOT/usr/bin/subsonic export LANG=ja_JP.UTF-8 export LC_ALL=$LANG export LC_CTYPE=$LANG export PATH=$PATH:/opt/bin:/opt/sbin export JAVA_HOME=/usr/local/jre export PATH=$PATH:$JAVA_HOME/bin do_start() { $DAEMON > $PIDFILE } do_stop() { kill `cat $PIDFILE` rm -f $PIDFILE } case "$1" in start) /sbin/log_tool -a "Starting $DESC" "$NAME"
このスクリプトのファイル名をsubsonic_init.shとすれば、/etc/init.d/subsonic_init.sh start
というように起動できます。
アプリケーションの登録
QTS上で起動や停止できる方が楽なので、登録しておきます。
登録方法は/etc/config/qpkg.conf
にINIファイル形式で必要な情報を書き込むだけです。
次のような内容を記載しておけばQTS上にアイコンが表示され、起動、停止が可能になります。
[subsonic] Name = subsonic Version = 4.9 Author = me Date = 2014-03-16 Shell = /share/HDA_DATA/etc/init.d/subsonic_init.sh Install_Path = /share/HDA_DATA/usr/share/subsonic QPKG_File = /share/HDA_DATA/DUMMY Enable = TRUE
Shell
が起動スクリプト、Install_Path
がインストール先です。あとは適当でかまいません。
これで起動して、Subsonicにアクセスします。ポート番号はデフォルトなら4040です。 あとは、起動したSubsonic内で設定を進めればQNAP上でSubsonicが稼働します。