Macで快適にTrackpoint キーボードを使う方法
Macでレノボのトラックポイントキーボードを快適に使うための記録です。
前置き
MacMiniをつかっています。普通のMacMiniユーザーであればキーボードはAppleの純正だと思うのですが、私は仕事でずっとトラックポイント(赤いポッチのついたキーボード)を使っているので、あれがないとイマイチキーボードを使う気になれません。しかも、気が付いたら英語キーボードではないとダメなからだになっていました。かなりマイナーな体質ですね。
キーボードの接続
レノボの「ThinkPad トラックポイント・キーボード 英語」というものをつかっています。MacMiniとは何もしなくても普通のBluetoothキーボードとして認識されて使えます。トラックポイントも動きます。接続まではまったく苦労がありませんし、問題もありません。純正のキーボードも悪くないと思いますが、やはり打ちやすさではトラックポイントキーボードのほうが上です。手を動かさなくていいというだけでストレスが少ないです。
動作上の問題点
接続まではまったく問題はありませんが、実際に使用してみると3つの点が気になります。
- Meta,Option(Alt)ボタンのキーアサイン問題
- 中ボタンが左クリックのような動作をする。(気がつかないうちにリンクがクリックされていたりする)
- カーソルの動きがひどく遅い。(トラックポイントにした意味が半減する)
この2点は、正直ストレスがたまります。というわけで、なんとか改善しようと試みました。
いきなりの結論
Karabinerを導入して、ステアーマウスを買え、です。 特に、カーソルの動きについてはステアーマウスで、ほぼストレスゼロになりました。 以降で書くように、設定を変更したり、他のツールを入れても多少の改善は可能ですが、根本的にはドライバに関する問題であると思うので、ステアーマウスのようなドライバを導入しないと完全解決はしません。お金も、ストレス解消を考えたら安いものです。
それでは、この結論にいたるまでの経緯を書いていきます。
キーアサイン問題
キーアサイン問題は、Karabinerを入れることで解決します。 https://pqrs.org/osx/karabiner/index.html.ja
このツールはCtrl/Caps交換の解決もできますので、入れておいて損はない、というか必須のツールでしょうね。キーアサインを確認しながら、MetaをAltキーに、OptionキーをWindowsキーに割り当てました。キーアサインは"Key Coads"というツールで確認していきました。
中ボタン問題
中ボタン、スペースキーのすぐ下にある青い目印のあるボタンが左クリックの動きをする、という問題です。 ブラウザでスクロール中に、大量のタブが開いている、なんてことがあります。
この解決もKarabinerで解決可能です。 どのようにするかというと、Karabinerでは自分専用のキーアサインが可能になるので、この機能をつかって中ボタンのクリックを無効にします。
Karabinerの"Misc&Uninstall"からprivate.xlmを呼び出します。そのprivate.xmlに次のように記述します。
<?xml version="1.0"?>
<root>
<devicevendordef>
<vendorname>LENOVO</vendorname>
<vendorid>0x17ef</vendorid>
</devicevendordef>
<deviceproductdef>
<productname>LENOVO_0B47208</productname>
<productid>0x6048</productid>
</deviceproductdef>
<item>
<name>COMMAND + MIDDLE to MIDDLE_CLICK</name>
<appendix>MIDDLE_BUTTON to VK_NONE</appendix>
<device_only>DeviceVendor::LENOVO, DeviceProduct::LENOVO_0B47208</device_only>
<identifier>thinkpad.trackpoint.commandmiddle2middleclick</identifier>
<autogen>__PointingButtonToPointingButton__ PointingButton::MIDDLE, ModifierFlag::COMMAND_L, PointingButton::MIDDLE</autogen>
<autogen>__PointingButtonToKey__ PointingButton::MIDDLE, KeyCode::VK_NONE</autogen>
</item>
</root>
なんとか読み解けるとおもいますが、LENOVOの特定のキーボードについて(devicevendordefとdeviceproductdef)、中ボタンクリックをVK_NONEに割り当てる(item)というものです。これを書いておくと、KarabinerのRemapメニューに "COMMAND + MIDDLE to MIDDLE_CLICK"というのが追加されますので、チェックをいれれば中ボタンクリックが無効になります。
この方のブログの丸パクリです。感謝しかありません。
Macで新型TrackPointキーボードを使う時のKeyRemap4MacBookの設定いろいろ | matomerge.com
これだけだと情報量0なので、devicevendordef, deviceproductdefのvendorid, productidの調べ方だけ書いておきます。
Karabinerの"Misc&Uninstall"に"Event Viewer"というのがありますので、それを立ち上げるとキーコード機能が出てきます。そこから"Device"を選ぶと、VenderID, ProductIDが取得できます。簡単です。
マウスカーソルの動きが遅い、という問題
以前からMacは使っていましたが、Airだったのでマウスカーソルの動きやスピードを気にしたことはありませんでした。 ところがTrackpointにした途端、異常な遅さ、反応の悪さに辟易してしましました。せっかく高いキーボードを買ったのに意味がありません。
もちろん、Macの機能としてマウスカーソルのスピードは変えられますが設定パネルから変えられるのには限界があります。また、感度がわるいというか、動かし始めにカクカクしたり、急にスピード速くなったりします。普段からWindowsの動きに慣れているせいもあるかもしれません。
32msecの遅延があるとか、加速度の味付けがWindowsとMacでは違うとかあるらしいです。くわしくはリンク先をみてください。 applech2.com
上のサイトでも紹介されている"SmoothMouse"というツールを入れることで、結構いい感じに調整できました。ところが問題はKarabinerと競合してしまい、Karabinerが機能しなくなってしまう、ということです。キーアサインや中ボタンの扱いも重要ですから、結局SmoothMouseでの解決は諦めました。
スピードや加速度設定は、他のツールやコマンドラインからも調整できたのですが、結局Windowsで使うときのようなスムーズなマウスの動きは実現できませんでした。結局、先に書いた通り、ドライバ(ステアーマウス)を買え、となりました。 ちなみに、ステアーマウスで中ボタンの機能についてもコントロールができるので、Karabinerでprivate.xmlを使う方法は無用になりました。
余談
マウスの動きというのは、完全に個人の好みなのですが、私の場合は動きのスピードそのものより、感度にありました。 余計な遅延やもたつきがなく、少しTrackpointに触れただけでスムーズに動きだす、というのがストレスなく使える一番のポイントでした。